今回は内果疲労骨折(medial malleolar stress fractures)の対処法について書いていきます。
内果疲労骨折はサッカー選手などに多く発生し、難治性の疲労骨折に分類されています。
手術療法が適応されることも多く、困っている選手も多いと思います。
今回はそんな内果疲労骨折についてポイントを解説していきたいと思います!
内果疲労骨折とは?
内くるぶしにある脛骨の内果(図1)の疲労骨折をさします。
若い男性に多く発生し[1]、難治性の疲労骨折であるため、治療方針は専門の先生と相談して決める必要があります。
疲労骨折が初期の段階の場合は、保存療法で癒合することもありますが、転位のある完全骨折は手術療法が適応されます[2]。
内果疲労骨折は内果部分に斜めに亀裂が入ることが多いですが(図2)[3]、骨折の初期にはレントゲンで確認できないこともあるため、MRI検査を行うこともあります。
内果疲労骨折を起こしやすいシーン
ランニングやジャンプなどを繰り返す、サッカーや陸上競技、バスケットボール、器械体操などで発生すると報告されています[4]。
内果疲労骨折のよくある症状
・ジャンプなどの衝撃が痛い
・足首を曲げて荷重をかけると痛い(図3)
・歩いていて痛い
ランニング、ジャンプなどの足首に衝撃が加わった時の内くるぶし周囲の痛みが特徴的です。
また朝に痛みが強くでやすい傾向があります。
病院で行う検査
レントゲン検査で骨折の有無を確認します。
一方で、疲労骨折の初期ではレントゲンに映らない場合も多いため、MRI検査で骨の中の状態を確認したり(図4)[5]、CT検査で細かい骨折線の確認をしたいすることもあります。
一般的には、問診(痛みの出る状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(荷重時の痛みの確認)などを行います。
内果疲労骨折と診断されたら
疲労骨折が初期の段階の場合は、保存療法で癒合する場合もあります。
一方で、完全に骨折してしまった場合や、スポーツに早期復帰したい場合は手術療法を選択することも多いです。
いずれの場合でも、内果に負担がかかってしまった原因を改善するリハビリがとても重要になります。
ここからリハビリについて説明していきますね。
内果疲労骨折のリハビリテーション
リハビリのポイントは、「荷重負荷のコントロール」、「足首周りの動きの改善」、「足首の安定性の改善」です!
※リハビリの期間は医師からの指示に従い、自分に合った進め方をしましょう!
・腫れ・痛みが悪化していないこと!
・荷重なしで足趾の筋トレ!(←座ってタオルギャザーなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)
先生から荷重制限の指示が出たら必ず従いましょう!
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←継続)
・その他の体重をかけた筋トレをする!(←スクワット、片脚スクワット、ランジなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←継続)
この時期までに足関節の可動域の左右差はなくしておきましょう!
・ジョギングを開始する!
・少しずつ直線のランニングスピードをアップする!
②ケンケンの着地で踵が安定している(つま先が接地している時に、踵と床面の距離がキープできている)
・リアクション、対人動作の練習とする!(←リアクションドリル、対人練習など)
再発しないように復帰後のチェックも行いましょう!
まとめ
ここまで、内果疲労骨折の方針やリハビリテーションについて書いてきました。
内果疲労骨折は難治性のケガですので、先生の指示に従いながら基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!
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参考文献
[2]近藤英司 編集. 足関節・足部の疲労骨折 -講座スポーツ整形外科3 下肢のスポーツ外傷・障害- 中山書店. 2021. 264-269