今回は膝外側側副靭帯(LCL:lateral collateral ligament)を損傷してしまったの対処法について書いていきます。
稀なケガではありますが、他の組織の損傷を合併していることが多く、中等度以上では痛みが残りやすく厄介なケガです。
今回はそんなLCL損傷について解説していきたいと思います!
膝LCL損傷とは?
膝LCL損傷とは膝の外側にある大腿骨と腓骨頭に付着している外側側副靭帯(図1)が損傷(部分断裂、完全断裂など)している状態をさします。
膝LCL自体の損傷はI度、Ⅱ度、Ⅲ度で表されますが、それに加えて重要なのが、「他の組織の損傷」の有無です。
膝LCL損傷と同時に、膝外側半月板損傷、膝後十字靭帯(PCL)損傷、膝関節後外側支持機構(Posterolateral Corner : PLC)損傷が合併することが多いですので注意が必要です。
膝LCL損傷を起こしやすいシーン
ラグビーなどのコンタクトスポーツで、膝が外に持っていかれた時に受傷しやすいです。
膝の内側からタックルされて、膝が内反強制されると受傷します。
前述したように、他の傷害も合併している可能性もありますので、必ず病院を受診しましょう。
膝LCL損傷後のよくある症状
・膝を内反(外側に倒す)すると痛い
・膝の曲げ伸ばしで痛い
リハビリのポイントも変わってきますね!
病院で行う検査
軽度の損傷の場合は、診察のみでLCL損傷と診断がつく場合もあります。
一般的には、問診(怪我した状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(内反ストレステスト)などを行います。
一方で、他の半月板損傷や靱帯損傷も合併している場合が多いため、MRI(磁気共鳴画像)検査で損傷の程度や合併損傷の有無を確認する必要があります。
膝LCL損傷と診断されたら
膝LCLの単独損傷では、基本的には保存療法となります。
軽傷の場合は1〜2週間ほどで痛みが無くなるため、それほど問題ありませんが、中等度以上の場合や他の組織損傷が合併している場合は痛みが残りやすいため、リハビリが非常に重要です。
半月板損傷やPCL損傷、PLC損傷を合併すると、手術療法が適応される場合もありますので、病院受診は必ずするようにしてください。
膝LCL損傷の保存療法
基本的には保存療法でリハビリを行い、復帰を目指します!
中等度の損傷で、軽い膝内反動揺性(LCLに緩みがある)がある場合をイメージしてリハビリの流れを記載しています!
(損傷の程度の違いや、合併損傷の有無によってスケジュールは変わるため、あくまで目安だと思ってください)
RICE処置の質が悪いと痛みや腫れが残り、今後のリハビリが大変になります...
・太ももの前と後の筋肉を鍛える!(←大腿四頭筋:特に内側広筋、ハムストリグスの筋トレ)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)
・ジョギングを開始する!
・少しずつ直線のランニングスピードをアップする!
足首が不安定だと、LCL付着部の腓骨の位置が悪くなるため、痛みが出やすいんです。
・リアクション、対人動作の練習とする!(←リアクションドリル、対人練習など)
足首と体幹を安定させてしっかりと動きの練習をしましょう!
練習前にしっかりと踏ん張れて力が入るかどうかチェックしていきましょう!
まとめ
ここまで、膝LCL損傷後の方針やリハビリテーションについて書いてきました。
膝LCL損傷は軽傷であればそれほど苦労しませんが、緩さが残ると痛みが残りやすいケガです。
安定性や身体の使い方が重要なため、しっかりとリハビリをしていきましょう!
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