今回は有痛性分裂膝蓋骨について書いていきます!
スポーツをしている成長期の選手に起こるケガです。
人によって痛みの強さが違い、痛みが長引く場合は手術療法が適応される場合もあります。
そんな有痛性分裂膝蓋骨について解説していきたいと思います!
目次
有痛性分裂膝蓋骨とは?
有痛性分裂膝蓋骨という言葉は「有痛性」と「分裂膝蓋骨」の二つの意味を持っています。
まず、「分裂膝蓋骨」ですが、膝蓋骨というお皿の骨の核が先天的に2つあり、成長後もくっつかないことを指します。
この分裂膝蓋骨の部分に痛みが出ると、「有痛性分裂膝蓋骨」となるのです。
10〜15歳のスポーツ選手に多く、膝のお皿の外上の痛みがあれば、本疾患の可能性があります。
多くは無症候性と言われています。
有痛性分裂膝蓋骨になりやすいシーン
分裂膝蓋骨を有している選手が、膝に荷重負荷が強くかかる、ジャンプ、ストップ動作、方向転換動作やダッシュなどを繰り返すことによって有痛性分裂膝蓋骨になる可能性があります。
有痛性分裂膝蓋骨になりやすい人の特徴
ここからは、有痛性分裂膝蓋骨になりやすい人の特徴を、「直接的な原因」と「間接的な原因」に分類して説明していきます!
※基本的にはオスグット病と同じ考え方です。
直接的な原因
- そもそも分裂膝蓋骨がある or になった
- 太もも外の筋肉(外側広筋、腸脛靱帯)が硬い
- お皿(膝蓋骨)の位置が悪い
- 前もも内の筋肉(内側広筋)が弱い
また、内側広筋はお皿を制御するために、ものすごく大切な筋肉なので鍛える必要があります!
間接的な原因
- 姿勢が悪くて後方重心
- お尻の筋肉がうまく使えていない
また、お尻の筋肉が弱いと重心が安定せず、太もも外の筋肉に負担がかかってしまいます。
有痛性分裂膝蓋骨のよくある症状
有痛性分裂膝蓋骨の人は以下のような症状が出ます。
- お皿の骨(膝蓋骨)の外上を押すと痛い(圧痛)
- 階段昇降が痛い
- スクワットが痛い
- 太ももに力を入れると痛い
- 前もものストレッチをすると痛い
初めのうちは圧痛のみの場合もありますが、必ず病院でチェックしてもらいましょう!
病院で行う検査
有痛性分裂膝蓋骨の診断にはレントゲン検査が必要になります。
レントゲンで、分裂膝蓋骨の有無をしてもらいましょう。
エコー検査でも確認することも可能です。
レントゲンの他にも、問診(怪我した状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、ストレッチ痛の確認、収縮時痛の確認、荷重時痛の確認などを行います。
有痛性分裂膝蓋骨のリハビリテーション
有痛性分裂膝蓋骨のリハビリテーションは、「復帰の判断(運動量のコントロール)」と、「再発しないためのリハビリ」が大切です!
具体的なリハビリメニューは↓の記事をご覧ください!
運動量のコントロール
- 圧痛(押した痛み)
- 荷重時痛(両足/片足スクワットの痛み)
- 収縮時痛(膝を伸ばしきって力を入れた時の痛み)
- ストレッチ痛(前もものストレッチをした時の痛み)
最低限のスポーツ参加条件は、「痛みのチェックで、3.収縮痛なし、4.ストレッチ痛なし」になります。
ここで注意ですが、↑の条件を見て、「圧痛と荷重時痛はあってもいいんだ!」と思わないでくださいね。
あくまで、「伸ばして痛くない」、「MAXで力を入れても痛くない」が最低条件で、その2項目ですら痛いのであれば練習は休むべきという考え方です。
そして、運動後の荷重時痛、圧痛を必ずチェックして悪化がないか確認しましょう!
有痛性分裂膝蓋骨 改善+再発予防のためのセルフエクササイズ
ここからはエクササイズについて説明していきます!
が、有痛性分裂膝蓋骨はオスグット病と同様に炎症をコントロールするのがとっても大切です。
痛みが強い場合は「アイシング」を必ず毎日続けましょう。
15分〜20分を1セットとして、数セットくりかえすと良いと思います。
冷やす時間は30分以内、アイシングを終えてからもう一度アイシングをするまでに1時間程時間を空けましょう!
自宅でできる有痛性分裂膝蓋骨のためのストレッチ
- 太もも外側のストレッチ
→直接的な原因の太もも外側をストレッチします。痛みがある場合はストレッチはせず、ボールでほぐしましょう! - 股関節外側のストレッチ
→直接的な原因の腸脛靱帯の起始部(大腿筋膜張筋)をストレッチします。 - お尻のストレッチ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います - 胸郭のストレッチ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います
自宅でできる有痛性分裂膝蓋骨のためのエクササイズ
- 内側広筋の筋トレ
→お皿の安定性を改善します - 殿筋の筋トレ
→股関節の安定性を改善します - 姿勢を正す筋トレ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います - 片足スクワット
→片足で荷重しても、姿勢を安定させられるように意識します
まとめ
有痛性分裂膝蓋骨は、炎症管理とリハビリがしっかりできれば復帰可能なケガですが、膝蓋骨の形状や遷延する炎症によって手術が必要になることもあります。
「運動量のコントロール」と「リハビリ」でスポーツ復帰を目指しましょう!
病院の先生と相談しながら再発せずに復帰を目指していきましょうね。
「もっとこれが知りたい!」「こんな記事を書いて欲しい!」「ケガのことを相談したい!」
などご要望をお受けしています!
〈お問い合わせ〉からお気軽にご連絡ください!