今回は頚椎捻挫(Cervical sprain)になってしまったときの対処法について書いていきます。
コリジョンスポーツで多く発生し、再発もしやすいため痛みを抱えながらプレーしている人も多いのではないでしょうか。
再発させないためには、頚部を良い位置で安定させる機能が重要になります。
今回はそんな頚椎捻挫について解説していきたいと思います!
頚椎捻挫とは?
頚椎捻挫は、頚部への外力によって、首周囲の筋肉や関節包、筋膜、靭帯などが損傷している状態をさします[1]。
一般的には、むち打ち損傷という言葉がよく使われていますが、診断名をつけるときは頚椎捻挫や外傷性頚部症候群などと呼びます。
首は不安定な組織ですので、頭や肩、体幹部への衝撃が加わっても頚椎捻挫が起こることがあります。
頚椎捻挫が起こりやすいシーン
一般的には交通事故で生じることが多いですが、
スポーツにおいては、ラグビー、アメリカンフットボール、柔道などのコリジョンスポーツで生じやすいです。
また、激しく転倒する可能性のあるスキー、スノーボードでも生じます。
首のケガには、頚椎損傷などの命に関わるケガもありますので注意が必要です。
頚椎捻挫のよくある症状
・首の可動域制限
首を動かしたときの痛みや可動域制限が主な症状です。
腕がしびれる、力が入らないなどは神経の症状が無いものが頚椎捻挫と言われています。
神経症状がある場合は他の疾患が隠れている可能性があります。
かならず病院でチェックしてもらいましょう!
病院で行う検査
画像検査で診断が確定するケガではありませんが、他の疾患と鑑別する意味で画像検査を行います。
骨の状態はX線検査やCT検査、神経の状態はMRI検査などでチェックします。
基本的には、問診(痛みがでる状況の確認など)、触診(神経圧迫部位のチェック)、スペシャルテスト(頚部の運動時痛の確認など)を行います。
頚椎捻挫と診断されたら
保存療法が適応されます。
スポーツ復帰する時は、「良い姿勢で頚部が安定していること」、「頚部に過度な負担がかからない動作・機能の習得」が必要不可欠です。
他の疾患との鑑別も非常に重要になりますので、しっかりと病院でサポートを受けながら段階的にリハビリを行いましょう!
頚椎捻挫のリハビリテーション
保存療法でリハビリを行い、復帰を目指します!
期間は目安ですので、専門医の先生の指示に従って進めましょう!
✅ 痛みが悪化していないこと!
✅ 姿勢が良く、肩甲骨・体幹が安定している
・脊柱の運動/歪み、姿勢の改善
・体幹・肩甲骨の筋肉のマイルドな筋トレ
患部が腫れて炎症がある場合:患部はアイシングなどで安静に、患部周囲のリラクゼーション
患部に炎症はなく筋肉が凝り固まっている場合:多少の痛みであればある程度積極的な運動療法
状況に応じて対処しましょう!
・頚部・上半身のトレーニングを開始
・コンタクト以外のスポーツ動作を徐々に開始
リハビリ後の痛みは要チェックです!
筋肉に張りが残った場合は、積極的にストレッチをして残さないようにしましょう!
・コンタクト動作や受傷シーンの姿勢チェック
・上記動作の導入
・体幹・頚部トレーニングは継続!
そうなると動きが硬くなり、姿勢が悪くなりやすいので注意が必要です!
まとめ
ここまで、頚椎捻挫の方針やリハビリテーションについて書いてきました。
頚椎捻挫は痛み基準で復帰すると再発してしまう場合も多いです。
しっかりと鍛えて再発しない身体で復帰しましょう!
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参考文献
[1]西良浩一 編集. 頚椎捻挫 -講座スポーツ整形外科4 体幹のスポーツ外傷・障害- 中山書店. 2022. 2-7