今回は筋筋膜性腰痛になってしまったときの対処法について書いていきます。
筋筋膜性腰痛は、腰痛の中でも一番頻度が高い診断名だと思います。
「筋」「筋膜」性の腰痛ですので、その名の通り筋肉や筋膜部分に痛みが出ている腰痛です。
腰には筋肉がたくさんありますので、痛みの出る場所・動きなどさまざまな症状がおこります。
今回はそんな筋筋膜性腰痛について解説していきたいと思います!
筋筋膜性腰痛とは?
腰の筋肉・筋膜の「損傷」や「炎症」、「硬さ」、「滑走不全」などが原因で発生する腰痛をさします。
腰には多くの筋肉が存在するため(図1)、そのそれぞれの筋肉の機能を発揮させるために筋膜も重要な役割と果たしています。
筋膜には多くの神経組織や固有受容器が存在するため(図2)、腰痛の原因になると言われているんです[1]。
腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離症はMRIやCT検査で明確に診断が可能ですが、筋筋膜性腰痛は明確な画像所見がありません。
そのため、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離症など明確な診断がつかない場合に診断名として使われることも多いです。
そして、そもそも腰は身体の中枢部なのに、背中側の腰椎しか骨がないんです!
当然筋肉には過度な負担がかかってしまいますよね。
筋筋膜性腰痛を起こしやすいシーン
腰の筋肉は、「体幹部の運動」、「体幹部の安定」の二つの役割を持っています。
○体幹部の運動では、腰を「曲げる」、「反る」、「捻る」、「横に倒す」など全ての動きで腰の筋肉に負担がかかります。
○体幹部の安定は体幹のインナーマッスル(腹横筋や多裂筋など)がメインで働いていますが、そこが弱いと腰背部のアウターマッスルの負担が増加します。
そのため、ジョギングなどの一見腰が動いていない動作でも腰痛の原因となります。
さらに、腰への負荷を増やす原因として、「身体の歪み」があります。
胸郭、背骨、骨盤の歪みは腰の筋肉の位置関係に影響を与え、一部分の腰だけにずっと負荷がかかることになります。
立っているだけ、座っているだけで腰が痛いということにも繋がってしまいます。
自分の歪みも把握しておきたいですね。
筋筋膜性腰痛のよくある症状
・スポーツ活動で徐々に腰が張ってくる
・長時間立っている、座っていると痛い
このようにさまざまな症状が起こります。
これらの症状は他の疾患でも起こることが多いため、筋筋膜性腰痛に特異的な症状ではないんです。
病院で行う検査
筋筋膜性腰痛の診断を確定させる画像診断はありません。
基本的には診察で診断可能ですが、レントゲン、MRIやCTで他の疾患を除外することでより確実な診断となります。
問診(痛みがでる状況の確認など)、触診(筋・筋膜の圧痛のチェック)、スペシャルテスト(前屈・後屈など)を行います。
筋筋膜性腰痛のリハビリテーション
・骨盤や脊柱の歪みの修正(上記のストレッチをしっかりやれば歪みは修整されていきます)
・腹筋、背筋のインナーマッスルのマイルドな筋トレ(腹横筋、多裂筋)
・姿勢の改善
体幹の基礎トレーニング習得も大切です!
・腹筋、背筋のインナーマッスルの筋トレ強度up!
・スポーツ動作の姿勢チェック、腹筋、背筋の収縮チェック
・体幹トレーニングは継続!
そうなると動きが硬くなり、姿勢が悪くなりやすいので注意が必要です!
まとめ
ここまで、筋筋膜性腰痛の方針やリハビリテーションについて書いてきました。
筋筋膜性腰痛は非常に多いケガですが、再発も多いです。
しっかりと治して再発しない身体で復帰しましょう!
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参考文献