テニス肘とリハビリテーション

今回はテニス肘(上腕骨外側上顆炎)になってしまったときの対処法について書いていきます。

テニス肘は、その名の通りテニス選手に多く、スポーツを行なっていない一般の方にも多いケガです。

また、しっかりとリハビリをしないと痛みが残りやすいため、困っている方は多いのではないでしょうか。

今回はそんなテニス肘について解説していきたいと思います!

 

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テニス肘とは?

肘の外側の出っ張りである、上腕骨外側上顆(図1)の周囲が炎症を起こしている状態をさします。

そのため、正式には上腕骨外側上顆炎と呼ばれています[]。

上腕骨外側上顆に付着している短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、総指伸筋などの筋肉が硬くなることによって上腕骨外側上顆が引っ張られ、炎症をおこします 

 

テニス肘
図1:上腕骨外側上顆とそこに付着する筋肉のイメージ図。

あきと
軽い痛みでも放っておくと治りにくくなることもありますので、注意が必要です。

テニス肘を起こしやすいシーン

テニス肘という名の通り、

テニスのバックハンドなど手首を反る方向への運動繰り返したり、日常生活でも重たい物をたくさん持つことで起こります[]。 

中にはパソコン作業やピアノなどで痛みを訴える方もいます。

 

あきと
日常生活でも痛みを感じるようになったら早めに病院に行きましょう。

テニス肘のよくある症状

物を持つとき、物を握る時の痛みが特徴的です

特に、手の甲を上に向けた状態で物を握ると痛みが誘発されます

物を握ったりしなくてもズキズキ痛むなど、「安静時痛」がある場合は炎症がかなり強い、もしくは神経の症状が併発している可能性もあります。 

あきと
タオルを絞るときの痛みなども特徴的です!

病院で行う検査

基本的には、診察でテニス肘と診断されます。

エコーを使用する病院では、エコーによる診断が行われ、症状が強い場合は、MRI検査を行うこともあります。

また、レントゲン検査で上腕骨外側上顆に不整が無いか確認することもあります。

 

画像検査の他には、問診(痛みが出た状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(Thomsenテスト、Chairテスト、中指伸展テスト)などを行います。

             

テニス肘と診断されたら

基本的には保存療法でリハビリを行ないます。

リハビリを行っても、どうしても効果が出ない場合は手術療法を行う場合もあります。 

 

以下に、保存療法のリハビリテーションの流れを書いていきます。

 

テニス肘のリハビリテーション

基本的にはこの保存療法でリハビリを行い、復帰を目指します!

期間は目安ですので、自分に合った進め方をしましょう!

リハビリのポイント!
✅ 患部の炎症を抑える
✅ 肘の曲げ伸ばしがスムーズに行える
✅ 肘の内側の筋肉を鍛える
✅ 肩甲骨が安定していて姿勢が良い
炎症期(痛みが強い場合は1週間ほど)
RICE処置

あきと
RICE処置はとても大切です!
1日に数回繰り返しましょう。
日常生活で痛くなった方は、痛みを感じたあとはこまめにアイシングを行いましょう!
リハビリ前期(3日〜2週)
・肘の屈曲・伸展可動域を改善する!(←腫れの改善・肘の外側の筋肉のマッサージ)
・痛みのない範囲で肘内側の筋トレ!(←マイルドな浅指屈筋、尺側手根屈筋のエクササイズ)
・肩甲骨・体幹の筋トレ!(←体幹と肩甲骨周囲筋の筋トレ)
・普段から姿勢を良くする

あきと
姿勢はすごく大切です!
せっかく肘の筋肉もマッサージを行っても、姿勢が悪いとすぐに元通りになってしまいます 😥 
リハビリ中期(2週〜4週)
・肘内側の筋トレをレベルアップ!(←浅指屈筋、重りを持って尺側手根屈筋のエクササイズ)
・肩甲骨・体幹の筋トレレベルアップ!(←体幹と肩甲骨周囲筋の筋トレ)
・テニスラケットを小指と薬指でグリップする練習!

あきと
肘の内側の筋トレを行うときは、
肘の外側の筋肉は使わないことがとても大切です!
難しいですが、確認しながらトライしましょう!
リハビリ後期(3週〜6週)
・体重をかけたエクササイズをする!(←四つ這いや腕立て伏せなど)
・段階的にスポーツ動作をスタート!(←軽めのフォアハンドからスタート)

あきと
テニス中も、小指と薬指メインでラケットをグリップしましょう!
復帰期(4〜8週)
・1〜2週間かけて段階的に練習に参加しましょう!

あきと
練習後に上腕骨外側上顆の押した痛みチェックアイシングを必ず行いましょう!
姿勢も常に良い状態を保ちましょう!

まとめ

ここまで、テニス肘の方針やリハビリテーションについて書いてきました。

テニス肘はしっかりリハビリをしないと痛みが残りやすいケガですので、基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!

あきと
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参考文献

[1]Verhaar J A. et al. : Tennis elbow. Anatomical, epidemiological and therapeutic aspects. Int Orthop. 1994 Oct;18(5):263-7.

[2]Stratford P. et al. :Extensor carpi radialis tendonitis a validation of selected outcome measures. Physiotherapy Canada 39(4): 250-255 1987

 

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