今回は鎖骨骨折(clavicle fracture)になってしまったときの対処法について書いていきます。
鎖骨骨折はスポーツで肩を強打したとき、転倒して手をついたときなどに比較的起こりやすい骨折です。
鎖骨骨折が起こると、とても痛いです。
また、鎖骨は肩を動かすために重要な骨であるため、しっかりと治療する必要があります。
今回はそんな鎖骨骨折について解説していきたいと思います!
鎖骨骨折とは?
鎖骨骨折は、肩の前側にある鎖骨という骨が骨折した状態をさします。
鎖骨は、上肢を骨性に体幹部につないでいる唯一の骨です(図1)。
上肢は、胸骨→鎖骨→肩甲骨→上腕骨 というように繋がっているため、鎖骨が骨折してしまうと上肢(肩)が動かせなくなってしまいます。
逆に言うと、肩を動かすと鎖骨も動いてしまうため、鎖骨骨折の治療中は骨がくっつくまでなるべく肩を動かさないようにする必要があるんです。
また、鎖骨の近くに神経や血管が多く通っているため、手のしびれなどの神経症状の有無にも注意しましょう。
鎖骨骨折が起こりやすいシーン
スポーツでは、相手と激しく接触したとき、転倒して肩から落下したとき/手をついたときなどで生じます。
また、交通事故などでも多いケガです。
鎖骨骨折のよくある症状
- 鎖骨部分にとにかく激痛が走る
- バキッと音が聞こえる
- 肩が上がらない
- 痛すぎて肩が動かせない
- 目で見て鎖骨がズレているのが分かる
あまり動かさないように固定して、すぐ病院に行きましょう。
手がしびれるなどの神経症状は要注意です!
病院で行う検査
レントゲン検査で、鎖骨の骨折の有無を確認します(図2)。
基本的にレントゲン検査のみで確認できますが、骨折がわかりにくい場合や詳細を確認する場合はCT検査を行うこともあります。
画像検査の他には、問診(痛みが出た状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(動かしたときの痛みなど)などを行います。
鎖骨骨折と診断されたら
保存療法と手術療法の選択となります。
保存療法
鎖骨の成長が終わっていない時期(骨端線が残っている)や鎖骨のズレが少ない状態であれば保存療法の適応になります。
手術療法
一方で、保存療法では骨がある程度くっつくまでの安静期間が長いため(4~6週間程度)、復帰を急ぐスポーツ選手等は、あえて骨をプレートで固定する手術療法を選択することもあります。また、ズレが大きい場合なども手術療法の適応となります。
それでは、鎖骨骨折のリハビリテーションの流れを説明していきます!
鎖骨骨折のリハビリテーション
保存療法・手術療法ともに、まずは専門医の先生の指示に従いましょう。
骨がくっついていない時期に無理に動かすと、骨の骨折部分やプレートがずれてしまうことがあるため、必ず固定期間を守りましょう。
保存療法・手術療法ともに、おおよそのリハビリ段階の解説をしていきます。
骨折部分をプレートで固定しているため、基本的には手術療法のほうがリハビリの開始が早くなる場合が多いです。
✅ 固定期間を守る
✅ 胸・肩周囲の筋肉のマッサージをする
★筋力トレーニング開始期
★荷重トレーニング開始期
✅ 腕立て伏せなどの体重をかけたトレーニングを行う
・胸・肩周囲の筋肉のマッサージをする(鎖骨が動かない範囲で、軽くマッサージ)
・自分の肩の力での可動域訓練を行う(許可が出てから少しずつ)
・インナーマッスルの機能が安定したらアウターマッスルの筋トレも開始する
・ウエイトトレーニングを行う(軽い負荷から。フォーム注意)
・転倒するスポーツでは受け身の練習を行う
また、ケガをしてしまったシーンに応じて再発予防の動きの練習を行っていきます。
手をついてケガをした場合は、受け身の練習は必須です!
まとめ
ここまで、鎖骨骨折の方針やリハビリテーションについて書いてきました。
鎖骨骨折は担当医の先生の指示に従い、基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!
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