今回は足底腱膜炎(Plantar fasciitis)の対処法について書いていきます。
足底腱膜炎は、足の裏の痛みで、足部の疾患の中では頻度が高くランニング障害の中でも3番目に多い疾患であると報告されています[1]。
踵は、筋肉や腱膜・神経などが多く存在する上に、体重がダイレクトにかかるため痛みが出やすい部分なんです。
今回はそんな足底腱膜炎についてポイントを解説していきたいと思います!
目次
足底腱膜炎とは?
足底腱膜炎とは、足底腱膜の踵骨付着部の炎症をさします(図1)。
成人の慢性的な踵の痛みの原因で最も多く、若いスポーツ選手と40-50代以降の一般の方に多くみられます[2]。
足底腱膜には、荷重によって①伸長ストレス、②圧迫ストレスの両方のストレスが加わるため炎症が生じやすくなります(図2)[3]。
また、踵の内側から足底を支配している、内側/外側足底神経も痛みの原因となることがあります。
また、慢性的に足底腱膜の緊張が高い場合、図3のように足底腱膜の踵骨付着部に骨棘(出っ張り)ができることがあります。
しかしながら、この骨棘は、足底腱膜炎の症状や足底腱膜の機能に影響しないと報告されている[4]ため、あまり気にしなくても良いようです。
エコーで、圧をかけたり/かけなかったりしたときの、骨棘周囲の組織の動きを見るとわかりやすいかもしれません。
足底腱膜炎を起こしやすいシーン
スポーツ選手では、ランニングの多い陸上長距離、バスケットボール、サッカーなどでよく起こります。
また、中高年になると一般の生活の中でも足底腱膜炎になることが多く、一般の人の生活では体重が多い人[5]、ランニングを行っている人[1]がなりやすいと報告されています。
足底腱膜炎のよくある症状
・足裏が地面に当たると痛い
・走ると痛い
病院で行う検査
症状が軽度の場合は、診察のみのことも多いです。
画像検査をする場合は、エコー検査で患部の炎症の有無や足底腱膜の状態を確認し、レントゲン検査で骨棘の有無の確認、MRI検査で筋肉・腱膜の損傷の程度などを判断します。
一般的には、問診(痛みの出る状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(荷重時痛、伸長時痛、tinelテスト)などを行います。
足底腱膜炎と診断されたら
基本的には保存療法で、リハビリを行います。
<また、足底腱膜炎に対しては、対外衝撃波治療も保険適用となっています。
痛みがひどく、長期にわたる人は、手術よって骨棘を切除したり、固くなりすぎた足底腱膜を緩める場合もあります。
体外衝撃波治療に簡単について説明しますね。
体外衝撃波治療(extracorporeal shock wave therapy :ESWT)
「収束型」と「拡散型」の衝撃波があり、収束型が本命ですが、拡散型も効果があるという報告も出てきています。
日本では、足底腱膜炎のみ保険適応とされています。
また、収束型は機器が高額のため台数が少ないです。
治療を希望される場合は調べてから病院に行きましょう!
順天堂大学のHPがわかりやすかったのでリンクを貼っておきます[6]。
足底腱膜炎のリハビリテーション
リハビリのポイントは、「足底腱膜(ふくらはぎも)を緩める」、「アーチを良い形状に」、「足・周囲の固定力up」です!
※具体的なリハビリメニューは↓の記事で紹介しております。
※リハビリの期間は目安ですので、自分に合った進め方をしましょう!
・腫れ・痛みが悪化していないこと!
・荷重無しで足部周囲のの筋トレ!(←座ってカーフレイズ、足趾のエクササイズなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)
・体重をかけた足首周囲の筋トレ!(←立ってカーフレイズなど)
・その他の体重をかけた筋トレをする!(←スクワット、片脚スクワット、ランジなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)
・ジョギングを開始する!
・少しずつ直線のランニングスピードをアップする!
・リアクション、対人動作の練習とする!(←リアクションドリル、対人練習など)
再発しないように復帰後のチェックも行いましょう!
まとめ
ここまで、足底腱膜炎の方針やリハビリテーションについて書いてきました。
足底腱膜炎は痛みが残りやすく再発しやすいケガですので、基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!
「もっとこれが知りたい!」「こんな記事を書いて欲しい!」「ケガのことを相談したい!」
などご要望をお受けしています!
〈お問い合わせ〉からお気軽にご連絡ください!