シンディング-ラーセン-ヨハンソン病とリハビリテーション

今回はシンディング-ラーセン-ヨハンソン(Sinding-Larsen-Johansson:SLJ)病について書いていきます!

スポーツをしている成長期の選手に起こるケガです。

オスグット病に似ているようで、オスグット病より復帰に時間がかかる可能性のある少しやっかいなケガです。

そんなSLJ病について解説していきたいと思います!

 

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SLJ病とは?

11歳前後のスポーツ選手に発生する、お皿の骨(膝蓋骨)の下縁の炎症や損傷(裂離)をさします。

 

 

膝の前にある膝蓋靭帯に過度な負荷がかかることによって、膝蓋靭帯が付着する膝蓋骨下縁が炎症を起こしてしまいます。

オスグット病より少しだけ早い年代に発症する疾患です。

SLJ病になりやすいシーン

SLJ病は、膝蓋靭帯を介して「膝蓋骨下縁にくり返しストレスがかかる」と発生します。

膝に荷重負荷が強くかかる、ジャンプストップ動作方向転換動作ダッシュなどによって痛みが出やすいです。

 

SLJ病になりやすい人の特徴

ここからは、SLJ病になりやすい人の特徴を、「直接的な原因」と「間接的な原因」に分類して説明していきます!

※基本的にはオスグット病と同じ考え方です。

直接的な原因

  • 10〜13歳
  • 前ももの筋肉(大腿四頭筋)が硬い
  • お皿(膝蓋骨)の位置が悪い
  • 前もも内の筋肉(内側広筋)が弱い
大腿四頭筋からお皿を介して直接繋がっているので、大腿四頭筋の硬さやお皿の不良な位置が直接的に膝蓋靭帯に悪影響します。
また、内側広筋はお皿を制御するために、ものすごく大切な筋肉なので鍛える必要があります!

間接的な原因

  • 姿勢が悪くて後方重心
  • 股関節がうまく使えていない
  • 裏ももの筋肉(ハムストリングス)が硬い
ハムストリングスなどが硬いと骨盤が起こせず、姿勢が悪くなします。
姿勢が悪くなると後方重心になるので、膝の前に負荷がかかりやすくなってしまいます... 
また、姿勢が悪くなると股関節も使えなくなるので、負担が膝>>股関節となってしまします...

あきと
猫背は百害あって一利無しですね...

SLJ病のよくある症状

SLJ病の人は以下のような症状が出ます。

  • お皿の骨(膝蓋骨)の下縁を押すと痛い(圧痛)
  • 階段昇降が痛い
  • スクワットが痛い
  • 太ももに力を入れると痛い
  • 前もものストレッチをすると痛い

初めのうちは、押した時の痛みのみの場合もありますが、必ず病院でチェックしてもらいましょう!

病院で行う検査

SLJ病の診断にはレントゲン検査が必要になります。エコー検査も有用です。

レントゲンで、裂離骨折の有無をしてもらいましょう。

レントゲンの他にも、問診(怪我した状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、ストレッチ痛の確認、収縮時痛の確認、荷重時痛の確認などを行います。

 

シンディング-ラーセン-ヨハンソン病 Sinding-Larsen-Johansson SLJ

SLJ病のリハビリテーション

SLJ病のリハビリテーションは、「復帰の判断(運動量のコントロール)」と、「再発しないためのリハビリ」が大切です!

また、裂離がある場合には骨癒合も大切なので、少し時間がかかると思っていて下さい 😥 

あきと
裂離が大きい場合は癒合まで半年以上かかることもあります。
ゆっくりですがしっかりと治っていきますので、復帰を焦らずいきましょう。

復帰の目安

SLJ病のリハビリテーションは、「①痛みのチェック」「②骨の癒合」2つのチェック項目を確認しながら進めていきます!

②骨の癒合は医師の先生と確認していくため、ここでは①痛みのチェックについて説明します。

オスグット病と同じです。

①痛みのチェック
  1. 圧痛(押した痛み)
  2. 荷重時痛(両足/片足スクワットの痛み)
  3. 収縮時痛(膝を伸ばしきって力を入れた時の痛み)
  4. ストレッチ痛(前もものストレッチをした時の痛み)

痛みのある時期に無理してしまうと、裂離骨折がひどくなる可能性があるため基本的には無理しない方が良いです。

そのため、SLJ病は①痛みチェックの全ての項目が痛くないことがスポーツ復帰の必要条件となります。

 

あきと
痛みが無いこと、医師の先生からOKをもらうことでスポーツ復帰しましょう!

SLJ病 改善+再発予防のためのセルフエクササイズ

ここからはエクササイズについて説明していきます!

が、SLJ病の場合も炎症をコントロールするのがとっても大切です。

そのため、痛みが強い場合はアイシングを必ず毎日続けましょう。

15分〜20分を1セットとして、数セットくりかえすと良いと思います。

あきと
アイシングをやり過ぎると凍傷になってしまう可能性があります。
冷やす時間は30分以内、アイシングを終えてからもう一度アイシングをするまでに1時間程時間を空けましょう!

 

具体的なリハビリエクササイズ方法を知りたい方は↓の記事をご覧ください!

 

 

自宅でできるSLJ病のためのストレッチ

  • 前もものストレッチ
    →直接的な原因の前ももをストレッチします。痛みがある場合はストレッチはせず、ボールでほぐしましょう!
  • 裏もものストレッチ
    →間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います
  • お尻のストレッチ
    →間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います
  • 胸郭のストレッチ
    →間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います
ポイント!
・膝のお皿のすぐ上の大腿四頭筋腱の部分が悪さをすることが多いです!
・そこを重点的にゆるめましょう!

自宅でできるSLJ病のためのエクササイズ

  • 内側広筋の筋トレ
    →お皿の安定性を改善します
  • 殿筋の筋トレ
    →股関節の安定性を改善します
  • 姿勢を正す筋トレ
    →間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います
  • 片足スクワット
    →片足で荷重しても、姿勢を安定させられるように意識します

あきと
痛みが出るメニューは無理せずやめておきましょう!
具体的なメニューの説明は 随時アップしていきますので少々お待ち下さい!

まとめ

SLJ病は成長期に起こりやすく、裂離があると時間がかかってしまいます。

少しでも早く復帰できるように、プレーして良い状態なのかどうか「痛みのチェック」と「骨の癒合状況」から適切に判断しましょう!

病院の先生と相談しながら再発せずに復帰を目指していきましょうね。

 

あきと
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