今回は変形性膝関節症(膝OA:Osteoarthritis)になってしまった時の対処法について書いていきます。
膝OAは、60才以上の8割に存在していると言われ、加齢変化で誰もが通る道となっています[1]。
膝OAになっても、痛みが出ない場合もありますが、スポーツを行っていると痛みが生じることが多いです。
今回はそんな変形性膝関節症について解説していきたいと思います!
膝OAとは?
膝OAとは、膝関節(大腿骨と脛骨)の間にある軟骨などのクッション組織が荷重負荷ですり減り、関節が変形している状態を指します。
「変形」と聞くとおおごとですが、「少し関節の隙間が狭くなった」場合でも、「関節がつぶれて無くなった」場合でも同じ膝OAと診断されます。
その膝OAの重症度は、1957年にKellgren-Lawrenceが報告した分類が現在でも使われています[2]。
KL分類と呼びます。
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- グレード0:正常
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- グレード1:疑わしいわずかな骨棘
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- グレード2:明確な骨棘、関節裂狭小化の可能性
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- グレード3:中等度の骨棘、関節裂隙の狭小化が明確、硬化像中程度
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- グレード4:著名な骨棘、関節裂隙の狭小化が中程度、硬化像著名、関節輪郭の変形明確
図1:膝OAのKL分類 左上:グレード1 右上:グレード2 左:グレード3 右下:グレード4[2]
このレントゲンが、1957年に報告されたそのものです!
60年以上前に分類されていたなんて驚きですね。
このグレードや痛み、症状の程度を総合して治療方針を決めていくことになります。
膝OAになりやすいシーン
60才以上の方に多いということを考えると、数十年かけて蓄積された負荷が膝OAとして現れていることがわかります。
膝に荷重がかかる時に痛みが出やすいですが、その動きだけで膝OAにったというわけではありません。
加えて、膝半月板損傷、膝前十字靭帯損傷などの既往があると膝OAになるリスクが上がるとも言われています。
関節の状態を確認する必要がありますので、必ず病院を受診しましょう。
膝OAでよくある症状
・膝が伸びきらない
・膝に水がたまる
病院で行う検査
病院で膝OAと診断するためには、レントゲン検査が必要です。
一般的には、問診(怪我した状況の確認など)、触診(内外側関節裂隙の圧痛など)、スペシャルテスト(膝蓋跳動テスト)などを行い、他の組織損傷の疑いがある方はMRI検査となります。
膝OAと診断されたら
基本的には保存療法ですが、グレードが高く生活に困ってしまう場合は手術療法が適応されることもあります。
手術療法には、膝の中をクリーニングする関節鏡手術、関節面を温存してスポーツ活動を行えるようにする高位脛骨骨切り術、人工関節を入れる人工膝関節全置換術・人工膝関節単顆置換術があります[3]。
治療方針の決定には、専門のドクターの受診をお勧めします。
ここからは、保存療法でも良くできるように、リハビリについて解説していきます!
膝OAのリハビリテーション
保存療法のリハビリテーションについて解説していきます!
ここはスポーツブログですので、ランニング復帰までのイメージで書いていきます!
※自己判断で動くのは危険があるため、ドクターから許可が出た場合を想定しています。
・膝関節アライメントの調整(膝の捻れを修正)
・内側広筋の筋トレをする!
・太ももの前と後の筋肉を鍛える!(←大腿四頭筋:特に内側広筋、ハムストリグスの筋トレ)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)
トレーニング後に膝が腫れていないか必ず確認しましょう!
まとめ
ここまで、膝OAの治療方針やリハビリテーションについて書いてきました。
膝OAのリハビリテーションは、「腫れのコントロール」、「膝の可動域回復」、「膝の筋力up」、「体幹の安定」ができればある程度良い感じで進めると思います!
専門の先生と相談しながら、慌てずしっかり治してしていきましょう!
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