今回は腰椎椎間板ヘルニアになってしまったときの対処法について書いていきます。
腰椎椎間板ヘルニアは神経の症状を含む腰痛で、手術適応になる場合もあります。
スポーツでも多く発生しますし、スポーツ選手以外の一般の方でも起こり、日常生活に支障をきたすケガだと思います。
今回はそんな腰椎椎間板ヘルニアについて解説していきたいと思います!
目次
腰椎椎間板ヘルニアとは?
腰椎椎間板ヘルニアとは腰椎椎間板を構成する髄核が、線維輪を突き破って外に飛び出した状態をさします。
外に飛び出した髄核が、椎間板の後を通っている神経を圧迫し、痺れや痛みなどの神経症状を引き起こします。
腰椎の4番と5番(L4/L5)の間、腰椎5番と仙椎1番(L5/S1)の間で多く起こります[1]。
腰椎4番(L4)〜仙椎3番(S3)の神経根が集まり構成しているのが坐骨神経です。そのため、その部位にヘルニアが起こると坐骨神経痛を引き起こします。
腰椎2番(L2)〜腰椎4番(L4)の神経根が集まり構成しているのが大腿神経です。坐骨神経痛より少ないですが、大腿神経の痛みが出る人もいます。
鼡径ヘルニアは、腸管や脂肪などが外部に飛び出した脱腸という状態をさします。
神経の部位と症状が出る場所を下の表にまとめています。
興味ある方は見てみて下さい。
髄節 | L4 | L5 | S1 |
運動 | 大腿四頭筋 |
前脛骨筋 長母指伸筋 長指伸筋 |
下腿三頭筋 長母指屈筋 長趾屈筋 |
感覚 |
下腿内側
|
下腿外側〜足背
|
足外側
|
腱反射 | 膝蓋腱 | (内側ハムストリングス) | アキレス腱 |
腰椎椎間板ヘルニアを起こしやすいシーン
椎間板には、「前屈した状態」や「重い物をもつ」ことで負荷がかかると言われています。
姿勢が悪い状態で物を持ったり、スポーツ動作を繰り返すことで起こると考えられています。
神経症状がひどくなる前に対処が必要なため、必ず病院を受診しましょう。
腰椎椎間板ヘルニアのよくある症状
・上記部位が痺れる
神経の症状は不思議ですねー。
病院で行う検査
基本的には、診察とMRI(磁気共鳴画像)検査で腰椎椎間板ヘルニアと診断がつきます。
問診(痛みがでる状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(SLRテスト、FNSテスト、感覚検査、筋出力検査、腱反射検査)などを行います。
「梨状筋症候群」という疾患も、腰椎椎間板ヘルニアと同じ坐骨神経の症状が出現するため、鑑別が必要になります。
腰椎椎間板ヘルニアと診断されたら
治療法は、保存療法と手術療法となります。
保存療法では、腰椎椎間板ヘルニアとなった原因を解決するためのリハビリテーションと併用して、症状が強い場合は薬物治療、硬膜外ブロック注射などが行われます。
手術療法の適応基準は、エビデンスが確立されていませんが、腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン第3版では、「各種保存的治療の効果が乏しい場合や,下肢運動麻痺の進行が認められる場合には手術的治療が選択されることが多い」とされています[2]。
また、手術療法による介入を行っても、「麻痺出現から時間が経過するほど改善が得にくい」とされていますので、症状が出現したら早期の病院受診をするようにしましょう!
腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション
症状の強い状態から順番に解説してきます!
自分の症状に当てはまる部分をご参照ください!
体動困難な痛みの場合は、薬やブロック注射で痛みを減らし、ある程度痛みが引いてからリハビリを行うと効果的です。
痛みが出ないように生活ができるといいですね!
・少しずつダイナミックな骨盤、脊柱動かし
・腹筋、背筋のインナーマッスルの筋トレ強度up!
「リハビリ中」、「リハビリ後」、「翌朝」の痛みを観察し、痛みのリバウンドがなければ少しずつレベルアップしましょう!
筋肉のハリが出ると、関節の動きが硬くなり、姿勢が悪くなりやすいので注意が必要です!
まとめ
ここまで、腰椎椎間板ヘルニアの方針やリハビリテーションについて書いてきました。
腰椎椎間板ヘルニアはリハビリが重要かつ難しいケガですので、基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!
参考文献
[1]古賀英之ら 編.予防に導くスポーツ整形外科.文光堂.2019
[2]日本整形外科学会診療ガイドライン委員会.腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン第3版.南江堂.2021