アキレス腱炎とリハビリテーション

今回はアキレス腱炎の対処法について書いていきます。

アキレス腱炎はランナーに多いケガです。

ポイントを押さえないと、とても再発しやすく、リハビリの管理も少し難しいんです。

今回はそんなアキレス腱炎についてポイントを解説していきたいと思います!

 

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アキレス腱炎とは?

アキレス腱炎とは踵に付着しているアキレス腱が炎症を起こして痛みが出ている状態をさします。

アキレス腱炎アキレス腱周囲炎と呼ばれ、

アキレス腱実質部の炎症なのか、アキレス腱周囲の組織(パラテノン:腱の周りの膜、脂肪組織)の炎症なのかで区別しています。

あきと
【マメ知識】
最近では、腱炎(tendinitis)ではなく、腱症(tedinosis)と呼ばれています!
このブログでは分かりやすく腱炎としていますが、気になる方は「腱症」を使ってみて下さい!

腱症腱障害腱炎腱周囲炎について
「腱」の炎症などは腱炎→「腱症」となります。
「腱以外」の炎症はそのまま「腱周囲炎」です。
それをまとめる総称で「アキレス腱障害」となります。
ややこしいですが、下の図のようなイメージになります!

アキレス腱障害 アキレス腱症 アキレス腱周囲炎 アキレス腱付着部

アキレス腱炎を起こしやすいシーン

ランニングジャンプを繰り返すスポーツで発生します。

特にランナーに多いケガですが、多くのスポーツでみられます。

アキレス腱炎のよくある症状

・アキレス腱が腫れる/痛い
・アキレス腱を押すと痛い
・ジャンプをすると痛い
・つま先立ちが痛い
・アキレス腱のストレッチが痛い

上の項目ほど出やすい症状で、下の項目まで全て痛いと炎症が強い状態かもしれません。

必ず病院でチェックしてもらいましょう!

病院で行う検査

軽度の損傷の場合は、診察のみでアキレス腱炎と診断がつく場合もありますが、エコー検査MRI検査を併用するとより正確な診断が可能です。

一般的には、問診(痛みの出る状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、スペシャルテスト(painful arc sign、two-finger squeeze test)などを行います。

             

アキレス腱炎と診断されたら

基本的には保存療法となります。

アキレス腱炎は再発が多いため、再発予防のリハビリが非常に重要です!

ここからリハビリについて説明していきますね。

 

アキレス腱炎のリハビリテーション

リハビリのポイントは、「患部の炎症・柔軟性の改善」、「足首・足部の安定性の改善」、「足関節の不安定性に影響する体幹の安定性の改善」です!

メインはとにかく「足首・周囲の固定力up」ですので、走っている時に足首が安定しているかどうか必ずチェックしましょう!

※リハビリの期間は目安ですので、自分に合った進め方をしましょう!

リハビリを進めるためのチェックポイント!
・腫れ・痛みが悪化していないこと!
 リハビリの負荷を上げた時に、「リハビリ中」「リハビリ後」「当日夜」「翌日朝」の悪化がなければOKです!
具体的なリハビリメニューを知りたい方はは↓の記事をご覧ください。
炎症期(歩いて痛い、つま先立ちが痛い時期 ~1週間)
・RICE処置
・アキレス腱周囲(腫れの周りや、くるぶしの後)・足首周囲のほぐし!(←腫れの改善・周囲の筋肉のマッサージ)
・荷重なしで足首周囲の筋トレ!(←座ってカーフレイズ、チューブエクササイズなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)

あきと
アキレス腱炎は慢性的な炎症であることが多いため、安静にしすぎず、
ある程度積極的にリハビリを行います!
リハビリ前期(つま先立ち痛くない 1週間〜2週間)
・アキレス腱周囲(腫れの周りや、くるぶしの後)・足首周囲のほぐし!(←継続)
・体重をかけた足首周囲の筋トレ!(←立ってカーフレイズなど)
・その他の体重をかけた筋トレをする!(←スクワット、片脚スクワット、ランジなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)

あきと
体重をかけても痛くなくなったら、すかさず荷重位でのトレーニングを開始します!
リハビリ中期(ジャンプ、ケンケンが痛くない 2〜4週間)
・ホップなどのジャンプエクササイズを開始する!(←ジャンプ着地の衝撃でも足首を固定する)
・ジョギングを開始する!
・少しずつ直線のランニングスピードをアップする!
ジョギングを開始する前に下の①〜③を達成できるようにしましょう!
①下腿前傾角度左右差無し
②片足カーフレイズ30回
③ケンケンの着地で踵が安定している(つま先が接地している時に、踵と床面の距離がキープできている)

あきと
ケンケンでも安定できれば、ジョギングで痛みや腫れがでてくるリスクは低いと思います!
リハビリ後期(ランニングしても痛くない・腫れない 3週〜6週)
・スプリント、ステップワーク、ジャンプの練習をする!(←アジリティトレーニングなど)
・リアクション、対人動作の練習とする!(←リアクションドリル、対人練習など)

あきと
動いた後の腫れは要チェックです!
復帰期(強度を上げても痛くない・腫れない 4〜8週)
・1〜2週間かけて段階的に練習に参加しましょう!

あきと
「腫れ」と、「ケンケンした時のぐらつき」は要注意です!
再発しないように復帰後のチェックも行いましょう!
アキレス腱炎とインソール
インソールも非常に重要です!
足のブレを防ぐために内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチにフィットする物を用いましょう。
踵のブレを防ぐために、踵を上げるヒールアップだけでも有効な場合もあります!

まとめ

ここまで、アキレス腱炎の方針やリハビリテーションについて書いてきました。

アキレス腱炎は痛みが残りやすく再発しやすいケガですので、基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!

 

あきと
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参考文献

[1]古賀英之ら 編.予防に導くスポーツ整形外科.文光堂.2019

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