外反母趾とリハビリテーション

今回は外反母趾の対処法について書いていきます。

外反母趾は女性に多いに多いケガです。

日常生活で痛みに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな外反母趾について解説していきたいと思います!

 

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外反母趾とは?

外反母趾とは足の親指の関節が、小指側に曲がっている状態をさします。

母趾(親指)が外反(小指側に向く)しているから「外反母趾」ですね。

 

 

合っていないシューズの影響や、もともとの足の構造関節の柔らかさが外反母趾の発生に関連していると言われています。

一般の方にも多いですが、バレエなどの親指に激しい負荷のかかるスポーツによって外反母趾が助長され、痛みが出やすいことが報告されています[]。

外反母趾を起こしやすいシーン

前述したように、「合っていないシューズ」、「足の構造」、「関節の柔らかさ」という要因が外反母趾の根本原因となります。

それに加えて、つま先立ちやジャンプ、ランニングなど親指に負荷のかかる運動を繰り返すことで、外反母趾の悪化や痛みが出てくるようになります。

あきと
親指が第2趾(人差し指)より長い「エジプト型」の構造の人が外反母趾になりやすいと言われています。

外反母趾のよくある症状

・母趾が外反している
・母趾の付け根の関節(第1MTP関節)が痛い
・第1MTP関節の内側が出っ張っている/皮がむける/マメができる

レントゲンで重症度の確認をする必要があります。

早めに病院でチェックしてもらいましょう!

病院で行う検査

基本的には診察とレントゲン検査で外反母趾と診断がつきます。

一般的には、問診(痛みの出る状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)などを行います。

 

レントゲン検査では、外反母趾の角度を計測します。
第1基節骨と第1中足骨の角度(HV角)が9°~15°で正常、20°~30°で軽症、30°~40°で中等症、40°以上で重症と定義されています。

           

外反母趾と診断されたら

基本的には保存療法となりますが、重傷例では手術療法が適応される場合もあります。

外反母趾は痛みをガマンし続けると、重症度や痛みが悪化する可能性があります。

シューズやインソール、テーピングや足を上手く使うリハビリが非常に重要です!

以降で、その対処法について説明してきますね。

あきと
手術をすると、親指の可動域が狭くなったり、筋肉が使いにくくなったりすることがあるそうです[]。
そのため、スポーツ選手はなるべく保存療法で良くなるといいですね。
専門の先生と方針をよく相談しましょう!

外反母趾のリハビリテーション

リハビリのポイントは、「用具の確認/補装具の活用」、「患部周りの動きの改善」、「周囲の固定力up」です!

それぞれ解説していきます!

 

用具の確認/補装具の活用

シューズ、インソール、テーピングについて説明していきますね!

シューズについて

シューズは「つま先がきつすぎない」ことが重要です!

また、ハイヒールはヒールが高い程つま先の負担が増えると言われていますので、高すぎるハイヒールも注意が必要です。

 

インソールについて

インソールも非常に重要です。

内側縦アーチ横アーチがつぶれることで外反母趾が助長されると言われています。

そのため、内側縦アーチ、横アーチ、外側縦アーチを支えられるインソールは外反母趾の悪化を防ぐ一助になると期待できます!

あきと
足のアーチには、内側縦アーチ、横アーチ、外側縦アーチの3つがあります。
この3つはお互いに支え合っているため、インソールはこの3つのアーチに対応している必要があります!
虹よりも、テントみたいなイメージですね!
内側縦アーチ 外側縦アーチ 横アーチ

テーピングについて

テーピングは、

  • 外反している母趾をまっすぐの方向に引っ張る
  • アーチをサポートする

目的で行います!

↓ニチバンのHPが分かりやすかったので、参考にしてみて下さい!

足の指 : 外反母趾の対策 | テーピング 巻き方 | バトルウィン™[4]

 

リハビリテーションの流れ

※リハビリの期間は目安ですので、自分に合った進め方をしましょう!

リハビリを進めるためのチェックポイント!
・腫れ・痛みが悪化していないこと!
 リハビリの負荷を上げた時に、「リハビリ中」「リハビリ後」「当日夜」「翌日朝」の悪化がなければOKです!
炎症期(歩いて痛い、つま先立ちが痛い時期 ~2週間)
・RICE処置
・足底の筋肉(特に母趾内転筋)・足首周囲のほぐし!(←動きの改善・周囲の筋肉のマッサージ)
・荷重なしで指・足首周囲の筋トレ!(←タオルギャザー、チューブエクササイズなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)
・歩行の練習!(←踵から安定して接地する練習)

あきと
変形が強いと、炎症が長引く場合があります。
1週間立っても炎症が治まらない場合は、痛みが悪化しない範囲でリハビリを進めてみましょう!

あおい
アーチがつぶれてしまう人は、歩く時にしっかりと踵から接地するのを意識すると良いみたいです!
リハビリ前期(つま先立ち痛くない 1週間〜3週間)
・足底の筋肉(特に母趾内転筋)・足首周囲のほぐし!(←継続)
・体重をかけた足首周囲の筋トレ!(←立ってカーフレイズなど)
・その他の体重をかけた筋トレをする!(←スクワット、片脚スクワット、ランジなど)
・体幹とお尻の筋肉を鍛える!(←体幹と殿筋の筋トレ)

あきと
荷重トレーニングでも安定していることが重要です!
身体のブレが接地している親指の負担を増やしてしまうんです。
リハビリ中期(ジャンプ/親指を強く曲げても痛くない 2〜4週間)
・ホップなどのジャンプエクササイズを開始する!(←ジャンプ着地でも身体を安定させる)
・ジョギングを開始する!
・少しずつ直線のランニングスピードをアップする!

あきと
全身の安定性が重要です!
リハビリ後期(運動しても痛くない 3週〜6週)
・スプリント、ステップワーク、ジャンプの練習をする!(←アジリティトレーニングなど)
・リアクション、対人動作の練習とする!(←リアクションドリル、対人練習など)

あきと
動いた後の腫れは要チェックです!
復帰期(強度を上げても痛くない・腫れない 4〜8週)
・1〜2週間かけて段階的に練習に参加しましょう!

あきと
「腫れ」「親指を強く曲げた時の痛み」は要注意です!
再発しないように復帰後のチェックも行いましょう!

まとめ

ここまで、外反母趾の方針やリハビリテーションについて書いてきました。

外反母趾の変形を治すことはできませんが、正しいリハビリを行うことで痛みが改善する場合が多いです。

基本をしっかりおさえながらリハビリをしていきましょう!

 

あきと
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参考文献

[1]Quirk R. : Common foot and ankle injuries in dance. Orthop Clin North Am 25(1): 123-33. 1994

[2]日本整形外科学会診療ガイドライン委員会、外反母趾診療ガイドライン策定委員会:外反母趾診療ガイドライン 2014 改訂第2版、p.9、南江堂、2014

[3]Kennedy J.G. ら : Bunions in dancers. Clin Sports Med 27(2): 321-8. 2008

[4]参考サイト:足の指 : 外反母趾の対策 | テーピング 巻き方 | バトルウィン™

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