今回はジャンパー膝(Jumper's Knee、ジャンパーズニー、膝蓋靭帯炎)について書いていきます。
スポーツ選手の膝痛の中でも非常に起こりやすいケガです。
日常生活でも階段の昇降で痛みが出ることも多いため、困っている人は多いのではないでしょうか。
そんなジャンパー膝について解説していきたいと思います!
目次
ジャンパー膝とは
ジャンパー膝はお皿(膝蓋骨)とスネの骨(脛骨)を繋いでいる膝蓋靭帯が炎症を起して痛みが出ている状態をさします(図1)。
そのため、膝蓋靭帯炎とも診断され、ジャンパー膝と膝蓋靱帯炎は同義です。
膝蓋靭帯は、膝蓋骨(お皿の骨)を介して大腿四頭筋(前ももの筋肉)につながっています(図2の左図)。
そのため、大腿四頭筋が硬くなると膝蓋骨が上方向に引っ張られ、結果的に膝蓋靭帯への負荷も増大します(図2の右図)。
ジャンパー膝のリスク因子を調査した研究でも、大腿四頭筋の硬さがジャンパー膝のリスクになると報告しています[1]。
ジャンパー膝になりやすいシーン
ジャンパー膝は膝蓋靭帯に繰り返しストレスがかかることで発症します。
そのため、徐々に症状が出てくる慢性障害の一つに分類されています。
その繰り返しのストレスとなる運動は、何と言っても、その名のとおり「ジャンプ」です。
その他にも、ストップ動作、方向転換動作で体重がかかった時など膝に荷重負荷が強くかかった時に痛くなりやすいです。
ジャンパー膝になりやすい人の特徴
ジャンパー膝になる人、ならない人、片足だけなる人、両足なる人などさまざまな人がいます。
それは、ジャンパー膝になりやすい特徴を持っているかどうかが影響してきます。
ここからは、ジャンパー膝になりやすい人の特徴を、「直接的な原因」と「間接的な原因」に分類して説明していきます!
直接的な原因
- 前ももの筋肉(大腿四頭筋)が硬い(図2)
- お皿(膝蓋骨)の位置が悪い
- 前もも内の筋肉(内側広筋)が弱い
また、内側広筋はお皿を制御するために、ものすごく大切な筋肉なので鍛える必要があります!
間接的な原因
- 姿勢が悪くて後方重心
- 股関節がうまく使えていない
- 裏ももの筋肉(ハムストリングス)が硬い
姿勢が悪くなると後方重心になるので、膝の前に負荷がかかりやすくなってしまいます...
また、姿勢が悪くなると股関節も使えなくなるので、負担が膝>>股関節となってしまします...
ジャンパー膝のよくある症状
ジャンパー膝の人は以下のような症状が出ます。
- お皿の下の靱帯を押すと痛い(図3)
- 階段昇降が痛い
- スクワットが痛い
- 太ももに力を入れると痛い
- 前もものストレッチをすると痛い
上の項目ほど出やすい症状で、下の項目まで全て痛いと炎症が強い状態かもしれません。
必ず病院でチェックしてもらいましょう!
病院で行う検査
診察のみでも診断がつきますが、エコー検査も非常に有用です。
問診(怪我した状況の確認など)、触診(痛みのある場所のチェック)、ストレッチ痛の確認、収縮時痛の確認、荷重時痛の確認などを行います。
症状が強すぎる場合にはMRIを撮り炎症や損傷の程度を確認します。
ジャンパー膝改善のためのセルフエクササイズ
ここからは、自宅で簡単にできるセルフエクササイズをお伝えします!
セルフエクササイズを行う時は、痛みのチェックが必須なので、痛みのチェックから説明していきますね。
具体的なやり方を知りたい方は↓の記事をご覧ください。
まずは痛みのチェックから!
- 圧痛(押した時の痛み)
- 荷重時痛(両足/片足スクワットの痛み)
- 収縮時痛(膝を伸ばしきって力を入れた時の痛み)
- ストレッチ痛(前もものストレッチをした時の痛み)
上記の4つを毎日チェックし、「痛みが減ってくれば改善している」、逆に「痛みが増えていれば悪化している」と判断しましょう。
改善している場合はもちろんそのまま継続し、悪化している場合は悪化している原因を考え、その原因を取り除きましょう!
自宅でできるジャンパー膝のためのストレッチ
- 前もものストレッチ
→直接的な原因の前ももをストレッチします - 裏もものストレッチ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います - お尻のストレッチ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います - 胸郭のストレッチ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います
自宅でできるジャンパー膝のためのエクササイズ
- 内側広筋の筋トレ
→お皿の安定性を改善します - 殿筋の筋トレ
→股関節の安定性を改善します - 姿勢を正す筋トレ
→間接的な原因の、姿勢の悪さや重心を改善するために行います - 片足スクワット
→片足で荷重しても、姿勢を安定させられるように意識します
まとめ
ジャンパー膝はよく起こりやすいケガですが、放っておくと慢性化してしまいます。
運動するとすぐに痛みが出てしまうようになる前に、しっかりと治して再発しない身体を作りましょう!
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