【よくわかる！】手・手首の痛みとその原因

2022年5月23日 2024年4月16日

あきと

スポーツ選手には手・手首のケガも多く発生します。

物を握るラケットスポーツや、手で体を支える体操競技などは特に手のケガが起こりやすくなります。

スポーツでは、手舟状骨骨折などの急性外傷や、TFCC損傷などの慢性障害が発生し、

一般の方でも、腱鞘炎（ドケルバン病）やばね指で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

今回はそんな手の痛みと原因を整理していきたいと思います！

あきと

手は日常生活でも非常に多く使うため、悪い使い方をしていると痛みが長引いてしまします。

1 疾患一覧（あいうえお順）
2 急性外傷 −急激に痛くなった方
3 慢性障害 −徐々に痛くなった方
4 まとめ

疾患一覧（あいうえお順）

キーンベック病（月状骨軟化症）
ギヨン管（尺骨神経管）症候群
尺側手根伸筋（ECU）腱鞘炎
突き指
手根管症候群
手舟状骨骨折
橈骨遠位端骨折（コーレス骨折、スミス骨折）
ドケルバン病（狭窄性腱鞘炎）
ばね指（弾発指）
ボクサー骨折（中手骨骨折）
母指CM（第1手根中手骨）関節症
有鉤骨鉤骨折
TFCC（三角線維軟骨複合体）損傷

急性外傷
−急激に痛くなった方

明らかにこの瞬間に痛くなったという瞬間があった場合のケガを整理していきます。

1. 突き指
指先がボールやものに当たって起こる、指のケガの総称です。指先の関節部分を動かした時の痛みが一般的です。よくあるケガと軽視されがちですが、骨折や脱臼、靭帯損傷や腱の損傷が起こっている可能性もあります。
2. 手舟状骨骨折
転倒などで地面に手をついた時に起きる、手首の付け根の舟状骨の骨折です。手首を動かした時の痛み、親指の付け根部分（解剖学的嗅ぎタバコ窩）の押した痛みが特徴です。見逃しやすい骨折のため、病院を受診してしっかりとレントゲン検査を行う必要があります。
3. 橈骨遠位端骨折（コーレス骨折、スミス骨折）
転倒などで地面に手をついた時に起きる、橈骨遠位端の骨折です。手が甲側に変形するのをコーレス骨折、手のひら側に変形するのをスミス骨折と呼びます。変形が強く、整復が難しい場合には手術が必要になります。
4. ボクサー骨折（中手骨頚部骨折）
拳でパンチした時に起こる、手の中手骨の骨折です。第４、５中手骨（小指、薬指）に多いですが、第２、３中手骨（中指、人差し指）に起こることもあります。
5. 有鉤骨鉤骨折
野球でのグリップや転倒で手をついた時、バイクのハンドルなどに強打することで起こる有鉤骨鉤の骨折です。手を握る時、手首を動かす時に手のひらの小指側の付け根に痛みが生じます。
6. TFCC（三角線維軟骨複合体）損傷
転倒などで手をついた時に起こる、手首の小指側にあるTFCCという組織の損傷です。ドアノブをまわす、タオルをしぼるなど、手首を捻る動きで痛みが生じます。

あきと

手をついた時の手首の痛みは、骨折を伴うことも多いです。
必ず病院を受診しましょう。

慢性障害
−徐々に痛くなった方

徐々に痛みが増してくるケガを整理していきます。

1. キーンベック病（月状骨軟化症）
手首の付け根の骨である、月状骨が壊死して潰れてしまうケガです。稀なケガであり、原因は定かではありませんが、手首をよく使うテニスやゴルフを行なっている男性に起こることがあります。手首を動かした時の痛みや腫れの症状が生じます。
2. ギヨン管（尺骨神経管）症候群
手のひらの小指側付け根にあるギヨン管が狭くなり、中を通っている尺骨神経が障害されるケガです。手首をよく使うスポーツ選手や楽器の演奏家の方に起こり、小指〜薬指の痺れや痛み、こわばりが生じます。
3. 尺側手根伸筋（ECU）腱炎／腱鞘炎／脱臼
手の甲側の手首小指側を通っている尺側手根伸筋腱が炎症を起こしているケガです。腱を包んでいる腱鞘の炎症や腱が脱臼する場合もあります。テニスなど手を酷使するスポーツに多く、手首を動かした時、力を入れた時の同部位に痛みが生じます。
4. 手根管症候群
手のひらの付け根にある手根管が狭くなり、中を通っている正中神経が障害されるケガです。手首をよく使うスポーツ選手や楽器の演奏家の方に起こり、薬指内側〜親指内側の痺れや痛み、こわばりが生じます。
5. ドケルバン病（狭窄性腱鞘炎）
手首の親指側を通っている２本の腱を抑えている腱鞘の炎症です。手首をよく使うスポーツ選手に起こり、最も一般的な腱鞘炎です。親指や手首を動かす、物を持つなどで痛みが生じます。
6. ばね指
指の手に平側にある腱が炎症を起こし、腱鞘と擦れることによって引っ掛かりが生じる状態を指します。更年期の女性に多く、腫れや痛み、指を動かした時の引っ掛かりが生じます。
7. 母指CM（第1手根中手骨）関節症
親指の付け根の関節の炎症や変形によって痛みが生じるケガです。更年期以降の女性や手を酷使する仕事で生じます。物をつかむ、瓶の蓋を開けるなど親指を使う動作で痛みが出ます。
8. 有鉤骨鉤骨折
野球やテニス、ゴルフのグリップによって起こる疲労骨折です。グリップの時の手の小指側の付け根の痛みが特徴的です。早期復帰を目指すときは手術を行う場合もあります。
9. TFCC（三角線維軟骨複合体）損傷
テニスや野球のグリップなど繰り返しの負荷によって起こる、手首の小指側にあるTFCCという組織の損傷です。ドアノブをまわす、タオルをしぼるなど、手首を捻る動きで痛みが生じます。